下痢の症状でお悩みの方はご相談ください
下痢が長引くと体内の水分や電解質のバランスが崩れ、脱水状態になることがあります。また、いつ便意が起こるか分からない不安から、外出や通勤・通学が困難になる場合もあります。
1週間以上続く下痢はもちろん、日常生活に支障を感じる場合も、早めの受診をおすすめします。
受診を検討すべき下痢の症状
次のような症状がある場合は、自己判断せず早めの受診をおすすめします。
- これまでに経験したことのないほど強い下痢
- 排便後も腹痛が続く
- 血が混じった下痢便が出る
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 時間が経つにつれて症状が悪化している
- 同じ食事をした人にも同様の症状が出ている
- 脱水症状(尿が少ない・出ない、尿が濃い、強い喉の渇きなど)がある
また、急な下痢や腹痛で「トイレに間に合わないかもしれない」と不安になるなど、日常生活に支障をきたす場合も、できるだけ早めに当院へご相談ください。
下痢で考えられる主な病気
潰瘍性大腸炎・クローン病
大腸粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、血液や粘液が混じった便が出るのが特徴です。
主な症状は腹痛、下痢、血便で、症状が強く出る時期と落ち着く時期を繰り返します。軽度や限局した炎症では無症状のこともあります。発症の原因は明らかではありませんが、自己免疫の異常が関与していると考えられています。診断には大腸カメラが欠かせません。
過敏性腸症候群
精神的なストレスや自律神経の乱れなどが関わり、慢性的な便通異常をきたす疾患です。
症状は下痢だけでなく、便秘や腹痛も伴い、数週間続くこともあれば自然に軽快することもあります。
感染性腸炎(食中毒など)
ノロウイルス、ロタウイルス、O-157、カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因となり、急性の下痢を引き起こします。
症状は下痢に加え、吐き気・嘔吐、腹痛、血便、発熱、脱水など多彩です。病原体によって症状の強さや経過が異なります。強い症状や脱水が疑われる場合は、早めの受診が必要です。
大腸がん
進行すると大腸が狭くなり、下痢と便秘を繰り返すことがあります。
症状は下痢、便秘、血便など。早期には自覚症状が少ないため注意が必要です。
慢性膵炎
膵臓からの消化酵素が十分に分泌されなくなることで消化が不十分となり、下痢を引き起こします。
症状は下痢のほか、腹痛、脂肪便、体重減少などが見られます。
下痢の検査
まずは問診で、便の状態や頻度、生活習慣、食生活、下痢以外の症状などを詳しくお伺いします。渡航歴や服薬歴、ご家族の腹部症状の有無、生活環境の変化も診断に役立つ情報です。可能な限り正確にお伝えいただくことで、最適な検査や治療を選択できます。
血液検査
炎症の有無や脱水状態を確認します。必要に応じて栄養状態や血清アミラーゼなども検査します。
腹部レントゲン
腸管内の異常なガスや腸閉塞の兆候などを確認するために行います。
便検査
感染性の下痢が疑われる場合には、便培養検査により原因菌の特定を行います。
腹部エコー検査
超音波を用いて、腎臓・肝臓・胆のう・膵臓の状態を確認します。また、腸管の炎症や腹水の有無、腫瘤なども調べることが可能です。
大腸カメラ検査
慢性的な下痢や血便、便通異常が続く場合に実施します。大腸ポリープや大腸がん、潰瘍性大腸炎などは自覚症状だけでは判断が難しく、内視鏡で直接粘膜の状態を観察することが必要です。
下痢の治療方法
水分補給
急性下痢の際は水分補給が治療の基本です。経口摂取が可能であれば、常温の経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ摂ると良いでしょう。嘔吐や強い腹痛で飲めない場合は、点滴による補液が必要となります。
薬による治療
整腸剤
ビオフェルミン®、ミヤBM®、ラックビー®などで腸内環境を整えます。
鎮痙薬
ブスコパン®やチアトン®などで、強い腹痛の原因となる腸のけいれんを抑えることがあります。
抗菌薬
重度の細菌性腸炎や症状が長引く場合に、数日間使用することがあります。
市販薬の注意点
自己判断で市販の止瀉薬を服用すると、感染性下痢では病原体を体内に閉じ込め、かえって悪化することがあります。そのため、まずは医師に相談されることをおすすめします。
一方で、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などを含む整腸薬は腸内環境を整える働きがあり有効です。また、症状に応じて漢方薬を利用する場合もあります。